アモの冒険記

スペイン語圏在住の海外ブロガー。アジア・ヨーロッパ・アメリカ圏など15か国に滞在。日本と海外生活、語学など、気になることを徒然なるままに。

海外在住ブロガーが考える日本の労働環境の違和感

日本の過労死や労働問題が世界から見てどう見えるか?

海外生活をして客観的に気づき始めた

日本の労働環境の違和感を3つあげたいと思います。

 

1.お酒文化

f:id:annie-jpn:20171009074324j:plain

はっきり言って、お酒の席が労働時間の一部もしくは延長として、

一般化している点は疑ったがいい。

 

海外の友人からの質問に、飲み会の存在意義を考えるきっかけがあった。

「何で飲み会が必要なの?

酒を飲まないと本音を言えないなんて、

アルコール中毒か何か?」

 

なぜお酒の席でしか本音が言えないのか?

交流する、コミュニケーションをとる機会だ、

といいながらなぜそれが会社でなく

お酒の席でしかできないのか?

 

大事な話、本音なら仕事に関わるのであれば、

本人と話しあって解決することを優先すべきでないのか?

 

飲み会がまるで会社の一部として機能していることを

当たり前だと考えないでほしい。

お酒が飲めない人にも、この文化を強要できるか?

飲み会をしないで、家庭や自分の時間を大切にする選択肢はなぜ与えられないのか?

 

歓送迎会、祝賀会などイベントといってお酒の席が一般化しているのは、

なかなか大事なことが本音で言えない日本の文化の一部であるような気もする。

ただ、当たり前のように参加を「ほぼ強要」していることになっていること、

なかなか断れない雰囲気である部分は、見直してほしいと思う。

 

 

2.残業・長時間労働の文化

Togetterでも話題になった過労死「Karoshi」

多くの海外の人にとっては、「働きすぎて死ぬ」という選択肢が理解できない。

togetter.com

 

でも、日本の大半の一般企業で働いていればわかるように、

「残業をしないで帰る」という選択肢は、日本の労働環境ではなかなか許されれない。

上や同僚が残業をしているから、残業せざるを得ないのである。

 

長時間労働をして追い込まれた経験があるがある人ならわかると思うが

毎日深夜まで働き、家に帰ってほぼ倒れこむように寝るだけの生活をしていれば

「会社で働かない=死ぬ」という選択肢が浮かび上がってくる。

 

なぜか・・・?

転職する時間もなければ、満足に好きなものを食べたり、

友人や家族と幸せな時間をすごしたりすることができない。

思考回路が完全にショートした状態で、まるでロボットのように働き続ける生活。

普通の人間の感覚を失っているのである。

 

自分を殺して、組織、会社のために働く姿は、

国のために自分の命を犠牲にして、亡くなった特攻隊たちのようである。

 

電通NHKなど他大企業でも過労死で亡くなる人たちが話題になるたびに、

組織や企業のために自分を殺し続け、生活を犠牲にして働き続けることが幸せなのか?

と疑問に思う。

 

少しでも多くの人がこの働き方に疑いをもって、今後は日本で長時間労働を変えていく、変えていきたいという社会の意見が増えていけばいいと願っている。

 

 

3.男女格差

日本の男女格差は世界的に見ても遅れている。

事実、世界各国の男女平等ランキングとも呼ばれる「ジェンダー・ギャップ指数」2016年度版によると、日本の順位は調査対象144カ国のうち111位だった。

 

社会的に見ても遅れている状況は、企業比較でも同様である。

日本の女性管理職の比率は、係長10.8%、課長5.8%、部長3.7%(2006年厚生労働省調査)と低く、他の先進国と比べてもフィリピン57.8%、アメリカ42.5%、ドイツ・オーストリア37.3%、イギリス34.5%、に対し、日本は8.2%である。(2005年ILO統計)

 

海外に出ると、社会で働く女性比率の多さとともに、

日本の女性進出がいかに遅れているのか実感する。

 

人的資源管理の分野で、グラスシーリング(ガラスの天井)という

昇進が人種や性差別によって見えない天井で阻まれているという言葉がある。

 

上に女性が少ない環境、出産などによってキャリアを一時断念せざるを得ない状況、

日本の女性にとっては、既に「見えている天井」である。

なぜ女性だけで考えないといけない問題なのか?

家族の問題なのだから、夫や父親である男性も考えるべき問題なのではないか?

 

男は家庭に関わらないといったような、男尊女卑の考え方が見え隠れしてならない。

女性はもちろん、男性にも自分ごととして捉えてほしいし、

世界的に見ても遅れている環境であることを認識していってほしい。

 

 

上記は、必ずしもすべての会社に当てはまるわけではないと思うが、

日本の労働環境は、海外から見てどう違うのか?

自分の働き方を客観的に考えるきっかけになればと思う。